-鴉の檻- 404 Not Found

此処は残骸。

2018-09-14

一日が、とてつもなく長かった。

結局日が落ちるまで何もする気が起きず、夜になってから

お勧めされた映画、観たいと思っていた映画を数本観た。

 

全てを忘れられた。

でも、それが終わると再び思い出してしまう……

そう、今みたいに。

 

そうしてぼんやりと考えていた。

歳が重なるごとに人が信用できなくなったな、と。

 

小中学生の頃は「好き」か「嫌い」か、ただそれだけだった。

問題はそのあと、アルバイトを始めた頃から狂ったんだと思う。

他人を好きか嫌いかで見るのではなく、決して逆らうことのできない「絶対的存在」として見るようになった。

 

私は常に馬鹿にされ、侮辱され、捨てられる。

親でさえも私を道具のように扱った。

どんなに辛い思いをしようが、報酬はほぼ全てあいつの手に渡る……じゃあ、私はなんのために働いているのか、わからなくなった。

 

職場ではウスノロな約立たず呼ばわれ、家では金稼ぎと八つ当たりのための人形、本気で死のうとも考えたが、弱い私は覚悟を決めることすらできずに心だけを殺した。

 

「私は最早人ではなく出来損ないの機械であり、

廃棄物の分際で人様と同じ場所に立ってはいけない」

 

いつしかそう思うようになっていた。

いや、最初からそう思うべきだった。

私は誰かの世界にいるべき存在ではない……

誰の記憶にも残ってはいけない……

輪郭の外、誰の目にも触れない場所にいないといけないんだ。

 

時々リアルで、電子の海で、優しい言葉をかけられると

疑ってしまう。

それは本心なのか?裏では嘲笑っているのではないか?

惨めな奴を憐れんで楽しんでいるんじゃないか?と。

 

その思いは日に日に増している。

誰も信用できないし、自分ですらも信用できない。

 

「あなたは真っ当な人間だと本気で思っている」

そう言われたときでさえ素直に喜べない自分がいた。

電子の海での私はさも流暢に語り、リアルでは決して見せないような内側まで曝け出している。

だが、それは決して「私」ではない。

飽くまでも綺麗な部分、ほんの上澄みにすぎない。

私がどんな生き方をしているか知った時、あなたは同じことを言えるか?同じように、私を「真っ当な人間」だと言えるか?

……私は最低の人間だ。ご覧の通り、人の好意にさえ刃を向ける無礼者だ。

 

許してくれなんて図々しい、寧ろ殺されてもいいくらいだ。

そんな奴だよ、私は。

 

なんと言われようと反論する権利はない。

私はこの国の汚点そのものなのだから。

全てを知った時、何人がこういうだろうか……

 

「あんな人間にだけはなりたくない」___と。