逃避七日目
きっとこれが、青い鳥が飛び去ったあとの世界なのだろう。
狭すぎる箱の中でただ呼吸し、変わることのない始まりと
終わりを繰り返す。
人との関わりなど皆無、纏わりつくのは「家族」とかいう
ハイエナ共、それが全て。
クソだな。
でも、四日経った辺りから慣れてきたよ。
そうして思い出し、諦め、馴染み、帰る……
この、狭くて暗い箱の中に。
違うな、私は最初から其所にいる……端末の中にいる人々が
語る「広い世界」に絶望して震えていた……この箱の中で、
ずっと。
だから目を背けて逃げている。
私は此処から出られない。
悔しい……堪らなく悔しい……。
この悔しさが憎しみに変わる前に別れを告げたんだ……。