-鴉の檻- 404 Not Found

此処は残骸。

飛べない鴉

皆さんはLIVEに行ったりしますか?

大好きな歌を歌う、大好きな人のLIVE。

それはそれは楽しい時間でしょう。


鴉も一度だけ、行ったことがあります。

そんなものには縁もないし、ましてやこんな辺境の地に来るはずもないと思っていたアーティストさんが、自転車で行ける距離に来た……恐らく、あの時一生分の奇跡を使い果たしたのでしょう。


まるで夢のようでした。

押し潰されそうな音圧を全身に浴びながら、唯々魅了され、気がつけば泣いていました。





そして今、私は嘆き悲しんでいるのです。

今年好きになったアーティストさんのLIVEが二度ありましたが、私には到底手の及ばぬ土地だったからです。


言うならば、雲の上の桃源郷、私には足を運ぶ権利すらも与えられないような地です。

そこへ辿り着くだけでも、莫大な費用がかかるでしょうし、第一に、どういった行動をとっていいのかすらわからない……


新幹線の予約?ホテルの予約?

私にはまるで異世界の話であり、からっぽの頭では処理できない話です。


LIVEの様子が動画サイトで放映されましたが、きちんと観たのは一度きり、それ以上は辛くて観られませんでした。

LIVE後五日ほどTwitterからも離れ、情報をシャットダウンし、ひたすらに逃げていました……。


好きなのに、悪いことをしている気分です。

こんなことを思ったのは初めてで、今年は夏から秋にかけてずっと落ち込んでいました。


可笑しいですよね……本当に、大人げない。

諦めなよ、お前には無理なんだから……。


職場では学生が「~日に大阪行ってきまーす!」やら「明日は東京だ!」とか言ってはしゃいでいるのが恐ろしいです。


みんな働いたお金を自分のために使います。


自分が学生の頃、搾取されることが当たり前でした。

どんなに傷ついて、ボロボロになりながら働いても、分け前なんてありません。

働いたお金を自分のために使えたことなんてありません。

コンビニで好きなものを買う友人姉妹の姿を、指をくわえて見ている……それが私の「青春」です。

何もかも、台無しです。


鴉の世界は、ずっと狭いままで、散々羽をむしられた挙句、飛べなくなってしまいました。


みんな若いうちから色んな土地でたくさんの経験をしてくる中、私は惨めに震えるのです。

私の青春とは、一体なんだったんだろうかと。


そうして、今では逃げることしかできない馬鹿な大人に成り果てたのです。


これからもずっと、逃げ続けるんだろうな……

目の前を通り過ぎてゆく夢に涙しながら笑うんだ……本当はそっちに行きたいんだ、待ってくれよ……そう言いながら走り去るんだ。


いっそのこと、何も見ず、何も聴かずに生きていけたら良かったのにと、愚かな自分を呪う明け方。


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