-鴉の檻- 404 Not Found

此処は残骸。

逃避十日目(最終日)

明日に日付が変わった頃、青い鳥を迎えに行こうと思う。

 

十日間、止まった時間の中で過ごしていた。

毎日毎日同じことを繰り返すだけの、至極単調で惨めな現実を思い出すには十分すぎる期間だった。

 

人との繋がりなど最早あの場所の外には存在せず、

時間さえもあの中にだけ流れている。

それなのに、他人の日常に触れれば触れるほど自分のあまりにも狭い世界が浮き彫りにされ、こうして逃げる羽目になる。

 

唯一の居場所から目を背ける……それはとても辛いことだが、悔しさには耐えられない……。

そう、悔しくて、悲しくて、仕方がない。

 

ふた月ほどすれば再び青い鳥を手放す時が来る。

私は同じ世界を見ることができないから、目の前を通り過ぎてゆく幻から、逃げるために。