-鴉の檻- 404 Not Found

此処は残骸。

隠された「本音」……?

今年も残すところあと僅かとなりました。


Twitterでは高校や大学が決まったなどという報告もちらほら……未来ある若者はいいですね。

その昔、私は最後の砦である定時制高校を受験しました。

受かろうとは全く思ってませんでした……

何故なら、入試問題の殆どを白紙のまま提出したからです。


正直どうでもいいと思いながら、正門で配られていたポッキーを齧りながら帰りましたね(笑)

私には元から知能がないし、両親は教養に無関心な人でしたし……。


ですが、受かってしまったんですよ。

どうやら誰でも入れるみたいで^^;

そのかわり、卒業できるのはほんの一握りの生徒だけ……大半は途中で来なくなります。


でも、髪型も服装も(度が過ぎなければ)何でもよしだし、休憩時間にゲームをしたりできたし、夜からだしで、鴉にとっては快適な空間でした。


ただ、家と職場は最悪でしたね。


父親が出て行ったことにより、母親の独裁政権が始まり、私は奴隷のような生活を強いられるわけです。


学校に行きながら稼いだ10万円程の給料はむしり取られ、分け前もなく、好きな物ひとつ買えない学生時代が幕を開け、それは卒業しても続きました。


母親ははっきり言って基地外です。

酷い癇癪持ちの赤ん坊です……とても手に負えたものではなく、高慢な態度は日に日に酷くなるばかり……挙句の果てに、私は子供の八つ当たりを全身で受ける人形になったわけです。


職場では客からも上司からも好き放題に言われ、

ぼろぼろになって帰れば更なる追い打ちが待っている……休日なんて地獄ですよ。


学校も卒業し、お金ももらえぬ私にどんな居場所があるというのでしょう……。

飼い殺しにされるくらいなら死んだ方がマシだと、そんな考えに囚われていました。


だって、生きている心地がしないんですよ?

寧ろ、何故生きているのか分からないんです……

何処にも居場所がないんです……死んだ方が幸せだと思いませんか?


でも、私は惨めな小心者、結局死ぬ勇気なんてありはしなかったんです。

死に損ないのゴミ……それが私です。


そんなある日、人生における分岐に立たされるのです。


仕事終わり、母親から電話がありました。

(長くなるので省きますが)あることで酷く腹を立て、剣幕にまくし立ててきたのです。

その時悟りました……「このまま帰れば殺される」と。


私はなんとか、当時の友人宅に逃げ込み難を逃れます。

ですが、この後どうしていいのかさっぱり分からず、その夜は眠りました。


次の日、たまたまアドレス帳にあった親を知る人に電話をかけると、会って話そうということになり、喫茶店で事の次第を打ち明けます。


「そんな人だとは知らなかった……」


その人はそう言いました。

そう、あの女は自分を「いい人」に見せることにプライドをかけているのだから、当然の反応でしょうね……ざまあみろ。


私はその人の案内で行政機関へ直行。

親を知る人々の前でなんとな助けを求めます。

そして皆口を揃え言うのです


「そんな人だとは知らなかった……」


やっと分かってもらえた……なんだか不思議な気分でしたね。


その次の日、私は友人に礼を言い、再び行政機関へ。

シェルターに行くことが決まったのです。

向こうに行く前に買い物ができるということで、私は職員の人に連れられ、友人が貸してくれた3,000円で自由帳と色鉛筆を買いました。


シェルターでは貴重品を全て職員さんに渡さなければならないのですが、友人から借りた3,000円以外のお金を持っていないことに酷く驚かれました。


21歳の残暑、19日間の共同生活の始まりです。

今回詳しいことは省きますが、初めて人のように眠りました……まだ生きているんだな、そう実感した夜、六畳ひと間の布団の上。









それから月日は流れ、紆余曲折の末にひとり暮らしを勝ち取った鴉ですが、今度は実家にいる弟がおかしくなってるみたいです。


弟は中一、俗にいう「不登校」というやつです。


まぁ、学校で色々あったみたいなんです。

親に聞いた話(母親は何故か普通に戻っている)ですが、そんな弟が学校に宛てた手紙を書いたそうです。


僕なんかいても意味がない。

みんなの目が怖い。

引っ越したい……。

学校に行っても変な目で見られるはず。

消えたい。

死にたい。


そんなことと一緒に、人が首を吊って死んでいる絵が描かれていたそうです。


ただ、私はそれを聞いて、その手紙の裏には隠された「本音」があるのではないかと感じました。

学校で色々あったのは事実ですが、理由を聞く限りここまでの手紙を書くことではないと思うんですよ……


家はガラクタ屋敷で、室内に入るのも一苦労。

ゆったり寛げるスペースなんてものはない。

唯一の同居人は基地外

少し機嫌を損ねると叫び出す。

学校に意味不明なイチャモンをつけて教師を困らせる。

わけのわからないオヤジには弁当を作るくせに、

弟には全く作ろうとしない。

コンビニ弁当や菓子が主食。

昼食も用意せず出かけ、深夜までほっつき歩いている。


死にたくなりません?

あなただったらこんな家庭をどう思いますか?

私がいた頃よりも酷い有様ですよ。


弟は、もしかしたらその手紙を通して気づいてほしいんじゃないかな……僕の家庭は狂っている、と。

深読みしすぎですかね……鴉にはどうもそんなふうにしか聞こえないんですが。

かといって、私にはどうすることもできないんです。


アイツに関わるとろくな目にあわない……。


私にできることは、休日に泊まりに来る弟に料理を作ることくらいですかね。

果物やデザートを買ったり作ったりして過ごすんです……これが普通なのかもしれませんが、私達の家庭はあまりにも異常で、何が普通なのかも分かりませんね。


そんな独房の中で、私達は色んなものを殺されながら育ったんです。







では、皆様に良い年が訪れることを願って___。